口頭発表Ⅰ
O-1-1
駅プラットホームからの転落事例データベースの公開について
○大倉元宏(1)、山﨑陽一(2)、豊田航(2)、安養寺一久(3)、松田均(3)、高島潔(3)、村上美佳(3)
(1)成蹊大学理工学部、(2)成蹊大学、(3)CML,LLc
【目的】
科学研究費助成事業の支援を受けて作成していた視覚障がい者の駅プラットホームからの転落事例データベース(以下、転落事例DB)を公開する準備が整ったのでその概要を報告する。このDBの主たるねらいは、晴眼者に転落の実態を広く周知することで、駅プラットホームにおける視覚障がい者の見守りの促進を図ることにある。
【方法】
インターネットに接続されたサーバー上に転落事例DBを構築した。
【結果】
1)URLはhttps://omresearch.jp/fall/browse/で、各種のブラウザーにより閲覧可能である。
2)本DBでは3つの画面を介して、転落事例に関する情報を得ることができる。
(1)検索条件画面:いわゆる「検索キー」を入力する画面である。検索キーとして、「地区」「路線」「駅」「ホームの形状」「時間帯」「ホーム上での移動方向」「転落時の年齢」「性別」「転落時の等級程度」「歩行訓練状況」が用意されている。テキストボックスやコンボボックスにより入力もしくは選択する。
(2)検索一覧画面:検索条件に合致する転落事例の一覧が主要情報とともに表示される画面である。主要情報とは「路線」「駅」「時間帯・天候」「ホームの形状」「転落までの移動状況」である。この画面の情報で事例の概略は把握できる。
(3)詳細画面:すべての情報が「転落の経緯」「転落者の障がいの原因」「転落発生時における駅とプラットホーム」「その時の転落者の状況」の4つに区分され、表示されている。「転落の経緯」には、日時、当該駅の利用頻度、普段と異なる事情あるいは突発的イベント、転落までの移動状況、転落原因と対策などが、「その時の転落者の状況」には、転落時の保有視覚の程度などが掲載されている。
3)スクリーンリーダーについては、JAWS、PC-Talker、及びNVDAの動作が確認されている。
【考察】
現在の10数件の事例が掲載されているが、事例数を増やしていく仕組みを考えていく必要がある。
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