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口頭発表Ⅰ
O-1-6
スマートフォンにおける日本語入力アプリの機能評価
-重度ロービジョン者の利用を想定-

○高橋伊久夫
株式会社アーク情報システム

【はじめに】
スマートフォン普及率を見ると、視覚障害者にも相当数使用されている。その要因は、画面読み上げや拡大など、視覚サポート機能の充実にあると考える。ロービジョン(以下「LV」と表す)と言ってもその見え方はさまざまであり比較的重度になると、スマートフォン使用時にVoiceOver機能を利用しており、一方では障害があることから一部使い方を制限している。たとえば、メールは受信専用やなるべく短文にするなどである。これらは、使用する日本語入力アプリの種類やその機能に問題があると考える。

【目的と方法】
本研究では、重度LV者にも使いやすい日本語入力の方法はないか、流通する日本語入力アプリを調査し、その種類と機能を評価することを目的とした。具体的には、アップルストアを「日本語入力」で検索、選択されたアプリを調査した。また、キー方式や手書き文字入力アプリについて、その操作性やVoiceOver機能との関連を調査した。

【結果と考察】
条件に合致したアプリは45本あったが、キーボードとして登録できるものは9本だった。入力方法では、キー方式6本、手書き文字2本、音声1本だった。キー配列としては、テンキー、QWERTy、子音・母音指定によるものがあった。キー及び手書き文字入力アプリを実際に操作したところ、VoiceOver環境で動作するものは1本だった。また、操作法やキーの大きさなど、LV者の利用に役立つ機能を備えたアプリは存在しなかった。手書き入力アプリについては、比較的に変換精度が良いアプリが1本あった。総合的に判断し、重度LV者に推奨できる日本語入力アプリは発見できなかった。

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