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口頭発表Ⅱ
O-2-3
視覚障害者の就労継続における早期支援と介入のあり方に関する研究

○髙橋政代(1)、三宅琢(2)、山田千佳子(3)
(1)公益社団法人先端医療振興財団先端医療センター病院、(2)東京大学先端科学技術研究センター、公益社団法人先端医療振興財団先端医療センター病院、(3)国立研究開発法人理化学研究所多細胞システム形成研究センター

【目的】
再生医療を標準治療とする研究が続けられている一方、再生医療の不完全さを補完するものとしてロービジョンケア及び視覚リハビリテーションがある。そこで本研究では、視覚障害者の就労に焦点を当て、就労を継続するために必要な方法や社会資源に関する情報が適切な時期に提供されることで視覚障害者の就労及び雇用の拡大、福祉の負担軽減を可能にすることを明らかにする。

【方法】
本研究では有識者による研究会を開催し、就労支援フローの検討を行った。就労支援フローによる情報の流れから視覚障害者に情報が行き届かないまたは止まる箇所を確認。潤滑な情報の流れを検討するために協力機関から情報のフィードバックを得るなどして問題点と課題の抽出を行った。

【結果】
就労支援フローによる情報の有効性・必要性を検討し、兵庫県の特性を活かした視覚障害者の就労支援情報アプリの設計書を作成。主な項目は下記のとおり。
検索機能:現在位置を中心とした施設マップ一覧表(キロ圏内)
詳細表示:手帳・受給者証有無、通所・入所希望、在職・就労状況
施設情報:利用可能時間、電話番号
外部リンク機能:ロービジョンマップへのリンク

【考察】
視覚障害者の就労支援情報アプリは、眼科医、産業医、当事者、家族など属性によって必要な情報が変化する為、抽出データに偏りや数の減少が起きないよう質問入力項目を厳選し、利用者自らが選択できる余地を残すことにした。

【結論】
兵庫県では福祉関係者だけでなく医療従事者によるロービジョンケア及び視覚リハビリテーション普及の取り組みが積極的に行われているが、必ずしも必要な情報が適切な時期に視覚障害者に行きわたっていない問題があった。兵庫県版視覚障害者の就労支援情報アプリにより、地域の特性を活かした就労支援フローの構築が可能になると考えており、今後は医療とセットにした形での普及を目指す。また、今後は視覚障害者の就労支援情報アプリの基本設計書を公開し、兵庫県版をモデルとして全国展開が望まれる。

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