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口頭発表Ⅱ
O-2-5
視覚障害高齢者への配慮普及の取り組み
-心得の作成及びアンケート調査-

○鎌田貴身江
和田町眼科クリニック

【目的】
近年の高齢化に伴いを視覚障害高齢者も増加している。しかし、視覚障害を対象としたリハビリテーションやサービスは高齢者施策にはない。介護保険施策に視覚障害に関するサービスの導入を推進するとともに、介護職員や家族等多くの人が視覚障害高齢者の自立を支援することが重要であり、そのための啓発が必須である。今回、多くの人が視覚障害に対する配慮を知るために簡単で覚えやすい標語形式の接し方の心得を作成した。
この心得の活用の可能性および今後の改善内容を検討することを目的に、心得の内容について介護職員にアンケート調査を行った。

【方法】
2015年10月から2016年1月までに有料老人ホームや通所介護施設に勤務する介護職にある者(介護福祉士、介護支援専門員等)に対し、郵送によるアンケート調査を行った。回答数は163件。
アンケートの内容は(A)心得の分かりやすさや量について(B)心得にある各配慮事項の分かりやすさ及び、既に心がけているかどうかを確認した。また(C)視覚障害を持つ高齢者との関わりで苦慮している事の自由記述を求めた。

【結果と考察】
(A)心得の分かりやすさについて:心得の内容については67%、具体例については65%、具体例の量については57%が「そう思う」と回答した。おおむね内容としては理解しやすいものであったが、具体例や詳細な説明を加える事で内容を充実させる事ができると考える。
(B)心得のうち、既に心がけられているのは「近づく前の声かけ(40%)」「転倒・衝突防止のための環境整備(32%)」であった。他の「指示代名詞を使わない(26%)」、「物の定位置を決める(25%)」などは実施率が高くはなく、今回の心得を定着させる事により介護現場で視覚障害高齢者への配慮が進むのではないかと考える。

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