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口頭発表Ⅱ
O-2-6
盲学校在籍児の通学における移動支援の実態に関する調査

○中野泰志(1)、高木憲司(2)、田中良広(3)、三谷照勝(4)、桑山一也(5)、田添敦孝(6)、坂本洋一(7)、堀智貴(7)、片桐大樹(7)、益子徹(8)、三科聡子(1)、山口毅(1)
(1)慶應義塾大学、(2)和洋女子大学、(3)国立特別支援教育総合研究所、(4)東京都立文京盲学校、(5)東京都立王子第二特別支援学校、(6)東京都立光明特別支援学校、(7)株式会社ピュアスピリッツ、(8)日本社会事業大学

【目的】
移動支援に関する事業全般に於いて「通学等の通年かつ長期にわたる外出」を対象としていないが、通学に際してどの程度の移動支援のニーズがあるかは明らかになっていない。また、通学支援のために、家族の社会参加にどのような影響が出ているのかについても明らかになっていない。そこで、盲学校を対象に、実態調査を実施した。

【方法】
全国盲学校長会の協力を得て、盲学校の学校長と保護者(各校10名)に調査を依頼した。主な調査項目は、登下校の方法や通学に関する支援の実態等で、調査項目数は学校長用が326項目、保護者用が68項目であった。盲学校及び視覚障害部門を併設している特別支援学校85校に郵送方式のアンケート調査を実施した。なお、本調査は、慶應義塾研究倫理審査委員会の審査を受けて実施した。

【結果】
学校からは58校(68.2%)、保護者からは390人(45.9%)の有効回答が得られた。学校調査の結果、在籍児は合計2,819人、スクールバスの運用を行っている学校は27校(46.6%)、利用している児童は647人(23.0%)であり、学校までの通学の間に付き添いが必要な児童は1,358人(48.2%)であった。保護者調査の結果、登下校時に付き添いをしている保護者が330人(84.6%)、付き添いのために生活や就労に影響が出ている保護者が298人(76.4%)、登下校に移動支援サービスを利用したい保護者が273人(70.0%)あることがわかった。

【考察】
盲学校には通学に際して付き添いを必要とする児童が多く、そのために家族の生活や就労に影響が出ていることから、通学に対して同行援護等の移動支援サービスを提供する必要性が高いことがわかった。

【結論】
盲学校の児童の半数は通学に付き添いが必要であり、移動支援サービスの通学への適応が急務の課題であることがわかった。

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