文字サイズ: 特大
文字と背景色: 白黒 白黒反転 黄色黒 黄色青 白青 青黒 緑黒
ランチョンⅡ
LS-2-2
からだに良い食べ方
~健やかに生きるために~

○太田由利子
医療法人社団橘桜会さくら眼科(管理栄養士・糖尿病療養指導士)

我が国は超高齢化社会を迎え世界の上位を占める長寿国である。2015年の日本人平均寿命は男性80歳、女性87歳だった。また、日常生活が制限されることなく生活できる健康寿命も伸び続け、2013年の健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳だった。ちなみに静岡県は全国1位であった。
これらの調査から、男女とも健康寿命を過ぎてから少なくとも10年間前後は、何らかの疾患を治療しながら健康とはいえない状態で生きていかなければならない。このため、いかにして健康寿命を伸ばしていくかが今後の課題となる。健康と食に関する情報があふれる中で、情報を整理して自分にあった食事をしていくことは私たちの知恵が試されている。
一方、2014年の国民栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる人のうち通院治療を継続しているのは6割に過ぎず、働き盛りの40代では4割であった。さらに近年、20~30代の若い世代の発症が増えていることは今後、糖尿病合併症が増加するのではないかと危惧される。
眼科初診時に糖尿病網膜症を発症している人は長期間にわたり健康診断を年受けていないか、健康診断などで糖尿病の疑いがあると指摘を受けたにもかかわらず放置していることが多い。このことは我が国の経済情勢の悪化を反映していると思われ、今後も重症糖尿病網膜症による視覚障害者は減少しない恐れがある。
また、糖尿病をはじめとする慢性疾患(高血圧症、脂質異常症、慢性腎臓病など)の多くは、血管内の炎症を伴っていることが知られている。これらの炎症を防ぐことが健やかに生きていくための重要なポイントになる。今回は血管内の炎症にターゲットを絞り「血糖」「食塩」「酸化ストレス」と食事との関係を考えてみたい。
なお、今大会の二日間のランチョンセミナーでは、からだによい食材をできるだけ使用して提案させていただきました。本日のセミナーの内容と照らし合わせて静岡の味をご堪能していただければ幸いです。

【略歴】
1982年 静岡県立女子短期大学(現静岡県立短期大学)食物栄養科卒
1982年 静岡済生会総合病院勤務
1990年 管理栄養士免許取得
1997年 さくら眼科勤務
2003年 静岡県栄養士会栄養ケアステーション所属市内診療所にて栄養指導
2007年 糖尿病療養指導士認定
2008年 厚生労働省慢性腎臓病悪化予防戦略研究(From-J)参加

共催:参天製薬株式会社

戻る